ウソツキ忍者の独断と偏見に基づく感想・考察

読んだ本や、見たアニメについての感想

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

現代文明社会で子供はどう育つ?―――『絵になる子育てなんかない』を読んで

現代文明社会の中での子育てについて考えている本。 著者は養老孟司(解剖学者)と小島慶子(ラジオパーソナリティ)。 幻冬舎。 2011年第1刷。 「子育て」はコントロールできない 胎児は母親の身体の一部なのか 親と子は見ているものが違う 自分を追い詰め…

生命記憶とは?―――『胎児の世界』を読んで

進化の流れの中で受け継がれてきた「生命記憶」についての本。 著者は三木成夫(医学博士)。 中公新書。 1983年初版。 感想 この本は、今の私の読解力ではまとめきれなかったので感想だけ書く。 感想 解剖学や発生学の知見から「個体発生は系統発生を短縮し…

古い概念に新しい役割を―――『思考の用語辞典』を読んで①

哲学に関する100の概念の内容を説明している本。 著者は中山元(哲学者・翻訳家)。 ちくま学芸文庫。 2007年第1刷。 はじめに アンビヴァレンス 意識 隠喩 概念 はじめに 著者はこの本を古い概念たちのために、新しい舞台をつくりだしてやれるよう考えてみ…

進化は変異と淘汰だけじゃない?―――『生物は重力が進化させた』を読んで

重力と関わる生体力学的な作用が進化を促したという本。 著者は西原克成(医学博士)。 講談社ブルーバックス。 1.ネオ・ダーウィニズムと用不用 1.全てを同列に扱わない 2.ネオ・ダーウィニズム 3.サザエの角 4.ラマルクの「用不用の法則」 2.進化 1.脊椎動…

肌の触れ合いって大事?―――『子供の「脳」は肌にある』をよんで

肌で触れあう感覚が子供の成長に与える影響について書かれた本。 著者は山口創(臨床発達心理士)。 光文社新書。 優先順位 触れない育児がもたらした結果 出産しただけでは「母」にはなれない 哺乳動物は肌を舐める 肌着とストレス 未熟児へのタッチケア 異…

無意識はどう表れるか?―――『無意識の構造』を読んで

無意識の働きについて書かれた本。 著者は河合隼雄(深層心理学者)。 中公新書。 無意識は形を変えて表に出る 声が聞こえない 何が原因なのか 機能に異常が出る 言葉につまる 言葉だけではない連結 コンプレックス 解釈 シンボル 元型的イメージと元型その…

挫折から立ち上がるには?―――『「わからない」という方法』を読んで

「わからない」を方法にして物事に取りくむということを書いた本。 著者は橋本治(作家)。 集英社新書。 わからないを方法にする わからないからやってみる 20世紀は「わかる」時代、21世紀は「わからない」時代 いろいろなこと=挫折の数 挫折の克服 情報…

文明の向かう先は絶望なのか?―――『保守の真髄』を読んで

現代文明に対する批判の本。 著者は西部邁(評論家)。 講談社現代新書。 文明の紊乱(ぶんらん) 紊乱の意味 自由貿易 伝統 徳義のバランス 自由と権”理” 国際社会の問題 独立と協調 市場 核武装 憲法と伝統 文明の紊乱(ぶんらん) 紊乱の意味 「老酔狂で…

愛とは何か?―――ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンを見ての感想

原作は暁佳奈による小説。 制作は京都アニメーション。 監督は石立太一。 1.愛を知りたい 2.心が分からない 1.感情を持たない戦闘人形 2.周囲とズレる 3.本当の心を伝える 1.一言でも伝わる本当の心 2.ウソの中に潜む本当の心を伝える 3.自分の言葉で伝える …

100%正しいことなんてない?―――『99.9%は仮説』を読んで

科学も含め、全ては仮説であるということを述べた本。 著者は竹内薫(科学作家)。 光文社新書。 1.科学理論も仮説 1.飛行機はなぜ飛ぶ? 2.その他の仮説 3.科学も1つの見方 2.仮説とデータ 1.仮説=枠組み 2.データ改竄でノーベル賞 3.仮説はくつがえる 1.…

昔の死体の扱い方は?―――『大江戸死体考』を読んで

江戸時代の刑吏と死体の扱われ方についての本。 著者は氏家幹人(日本近世史家)。 平凡社新書。 1.私達と死体との距離感 1.身体の展示会 2.すぐこそにある死体 3.検使マニュアル 2.山田浅右衛門 1.様斬(ためしぎり) 2.変化する気風 3.試し斬りの専門家 4.…

相対論?対称性?―――『アインシュタインの発想』を読んで

相対性理論を自然法則の対称性に関する理論として考えている本。 著者は小野健一(理学博士)。 講談社現代新書。 (私の頭が悪いせいで)理解できなかった 対称性 鏡像変換 回転に対する不変性 変換の積と対称群 質量とエネルギーは同じ エネルギー保存則 …

失業をどう見るか?―――『日本人のための経済原論』を読んで②

経済学のエッセンスを理解するための本。 著者は小室直樹(経済学者)。 東洋経済。 三大経済学者 スミス マルクス ケインズ 古典派(スミス)のドグマ マルクスの産業予備軍説 必ず失業は出る マルキストの誤解 ケインズの大発見 古典派批判 有効需要の原理…

経済学の本質とは?―――『日本人のための経済原論』を読んで①

経済学のエッセンスを理解するための本。 著者は小室直樹(経済学者)。 東洋経済。 Y=C+I 極意 景気のよしあし 無限の波及という難問 一般均衡論 大不況の原因 所得(インカム)と資産(アセット) 需要と供給 完全競争 マクロの相互関連 国民総生産は有効…

労働条件をどうする?―――『まんがで読破 蟹工船』を読んで

劣悪な労働環境と労働条件の下で働いていた人達の話。 原作は小林多喜二、漫画はバラエティ・アートワークス。 イースト・プレス 1.あらすじ 2.蟹工船とは 3.なぜ好き勝手できたのか 4.資本主義VS共産主義という見方について 5.資本主義は理想的なシステムか…

常識は常識じゃない?―――『人が、つい とらわれる心の錯覚』を読んで②

世の中の硬直した常識を考え直そうとした対談本。 著者は安野光雅(画家)と河合隼雄(深層心理学者)。 講談社+α文庫。 1.弱音が吐けない 2.教えるのではなく育つのを待つ 3.本当の事はあるのか 4.西洋は魔法、日本は輪廻 5.自由に遊ばせる度胸 6.まやかし…

それって本当に家族の常識?―――『人が、つい とらわれる心の錯覚』を読んで①

世の中の硬直した常識を考え直そうとした対談本。 著者は安野光雅(画家)と河合隼雄(深層心理学者)。 講談社+α文庫。 1.家族の断絶は悪いのか 2.虐待に関する日米比較 1.家族の断絶は悪いのか 新聞などで、やたらと「家族の断絶」が取りざたされ、何やら…

進化に目的はあるか?―――『生命と記憶のパラドックス』を読んで③

生命と記憶にまつわる66個の面白い小話を取り上げた本。 著者は福岡伸一(分子生物学者)。 文春文庫。 うまく出来ている身体 スーパー耐性菌 虫たちはなぜ光に集まってくるのか 「懐かしさ」と「切なさ」 寒さを耐えたから咲く うまく出来ている身体 ヒトの…

DNAで全てが分かるか?―――『生命と記憶のパラドックス』を読んで②

生命と記憶にまつわる66個の面白い小話を取り上げた本。 著者は福岡伸一(分子生物学者)。 文春文庫。 DNA鑑定で示されるもの 遭難したら、どれくらい生きられるか(体重50キロ、体脂肪率20%として) まずは生物学的な観点から 実際は 遭難して生き延びた…

自然への私達の見方は正しいか?―――『生命と記憶のパラドックス』を読んで①

生命と記憶にまつわる66個の面白い小話を取り上げた本。 著者は福岡伸一(分子生物学者)。 文春文庫。 66個の話すべて紹介するのは大変なので、その中から興味をそそられたものを取り上げて感想を書いていく。 花のコミュニケーション ミツバチの死 ゴロ合…

人為的か?自然的か?―――『教養としての言語学』を読んで

記号と対象の関係が、自然的なのか?人為的なのか?について考えた本。 著者は鈴木孝夫(言語社会学者)。 岩波新書。 著者は前書きにて、教養とは知識がたくさんあるだけではなく、その知識を自分の中で位置づけ、行動の指針となるような方向性を育てること…

どうやって観客を満足させるか?―――『ハリウッド脚本術』を読んで

脚本の作り方についての本。アニメの感想を書くときに役に立つかもしれないと思って読んでみた。著者はニール・D・ヒックス(脚本家)。脚本家になる前はアメリカの政府機関のトップ・シークレット(当局からは、存在を否定されているもの)の仕事をしていた…

世間と、どう折り合いをつけるか?―――『「世間」とは何か』を読んで

個人が世間とどう向き合っていくかという視点から社会の在り方を考えた本。 著者は阿部謹也(元一橋大学学長、専攻は中世ドイツ史)。 講談社現代新書。 1. 世間と社会は違う 2. 説明の難しさ 3. 世間の縛り 4. 分析するために 5.感想まとめ1 (文学作品を…

人類は核を正しく扱えるのか?―――『核兵器のしくみ』を読んで

タイトルの通り核兵器がどのようなしくみで出来てるかの本。 著者は山田克哉(理論物理学者)。 講談社現代新書。 核分裂 核子 電荷 電磁波 アルファ線 ベータ線 ガンマ線 中性子線 放射能と放射線 原子炉 核融合 核分裂 原発も原爆も「核分裂連鎖反応」とい…

どうやって責任とる?―――『「責任」ってなに?』を読んで

責任ってどういうものなのかを考えた本。 著者は大庭健(専修大学文学部教授)。 講談社現代新書。 このように、現在の身体的な特質や心理的特質のうち、私の心がけしだいで「他のようにも」ありえた部分については、私に責任がある。他方、それ以外の部分に…

老いと死を受け入れられるか?―――『命と向き合う』を読んで

日本における癌の治療と緩和ケア、それと死との向き合い方について書かれた本である。 著者は養老孟司(解剖学者)、和田秀樹(精神科医)、中川恵一(東大医学部付属病院緩和ケア診療部長)。 和田秀樹と中川恵一の2人は養老孟司の教え子だそうで師弟による…

生きる意味とは何か?―――ソードアート・オンラインIIの感想(18話~24話のみ)

24話すべてを1記事で書き切るのは無理そうなのでSAO二期で1番面白かったマザーズ・ロザリオ編のみ感想を書く。それ以外は別の機会にでもwwwあと、キリトと和人、アスナと明日奈、ユウキと木綿季とか書き分けるのめんどくさいので統一する。 「死銃事件」…